日本人同士が結婚した場合、多くの場合は、男性の名字に統一します。
逆のパターンもありますが、いずれにしても、日本人同士の結婚の場合は、「夫婦同姓」が法律上定められていますので、男性側女性側のいずれかの名字に統一します。
では、国際結婚をした場合は、どうなるのでしょうか。
1.国際結婚の場合は、基本的には「夫婦別姓」になる
外国人配偶者には日本の戸籍がないため、結婚の手続きをしただけでは、日本人の名字は変わりません。
つまり、国際結婚の場合は、基本的には「夫婦別姓」となります。
とはいえ、「結婚したんだから、名字は同じにしたい!」という方もいらっしゃると思います。
それでは、国際結婚の場合に、同じ名字を名乗るためには、どうしたよいのか、以下で説明します。
(1)外国人配偶者の名字に統一したい!日本人が外国人配偶者の名字に変更するための方法
ⅰ)日本人が外国人配偶者の名字に変更するには、基本的には、以下の手続きが必要になります。
➀結婚後6カ月以内
→市区町村役場や大使館・領事館に「外国人配偶者の氏への氏変更届」を提出
➁結婚後6カ月以後
→家庭裁判所での許可を得た後、市区町村役場や大使館・領事館に「外国人配偶者の氏への氏変更届」を提出
外国人配偶者姓名:Robert・Thomas・Willson(ロバート・トーマス・ウィルソン)
日本人配偶者姓名:鈴木 京子
➀日本姓を外国姓に変更:鈴木→ウィルソン
変更後の姓名「ウィルソン 京子」
➁日本姓を(外国姓+ミドルネーム)に変更:鈴木→トーマスウィルソン
変更後の姓名「トーマスウィルソン 京子」
③日本姓を(日本姓+外国姓)に変更:鈴木→ウィルソン鈴木
変更後の姓名「ウィルソン鈴木 京子」
④日本姓を外国姓に変更し、同時に、名前を「京子」から「鈴木京子」に変更
変更後の姓名「ウィルソン 鈴木京子」
※ただし、➂や➃のように、外国人の名字である「ウィルソン」と日本人の名字
である「鈴木」の両方を使う複合姓(ダブルネーム)の場合は、結婚後6カ月以内
の場合であっても、家庭裁判所の許可が必要となります。
※日本人の戸籍に記載される名字については、
戸籍に記載することが認められている漢字やカタカナしか使うことができません。
例1:「Willson」→「ウィルソン」
例2:「王」→「王」「ワン」「ウォン」
この場合、結婚の手続きで「王」と届出をしたら氏変更後も「王」と
漢字表記になりますが、「ワン」「ウォン」とカタカナで届出をしたら、
漢字表記はできなくなります。
(2)日本人の名字に統一したい!外国人配偶者が日本人の名字に変更するための方法
外国人配偶者の名字を日本人の名字に変更することはできません。
といいますのも、日本の「姓」と「名」は、戸籍と結びついており、
外国人配偶者は、日本国籍を持たない以上、日本の正式な「姓」や「名」を持つことはできないからです。
これは、結婚をしたとしても変わることはありません。
日本人と外国人が結婚の手続きをしたとしても、同じ戸籍に入るということはなく、いわゆる「入籍」というものは行われないのです。
もっとも、「通称名」を使用することはできます(本名は変更されません)。
「通称名」の変更申請をすれば、パスポートや在留カードの名字は変更されませんが、
住民票や運転免許証で通称名を使用することができます。
※通称名の変更申請については、お住まいの市区町村役場にご相談下さい。
2.国際結婚した場合、戸籍はどうなるの?
日本人と外国人が結婚した場合、外国人は日本国籍を取得しません。
では、日本人の戸籍はどうなるのでしょうか。
未婚の日本人は、両親の戸籍に入っていますが、結婚することで、両親の戸籍から抜けて(除籍)、新しい戸籍ができることになります。
日本人同士の結婚の場合であれば、2人が一緒に新しい戸籍に入ることになりますが、
外国人と結婚した場合には、日本人1人の戸籍ができることになります。
外国人配偶者については、日本の国籍はないのですが、日本人配偶者の戸籍謄本の身分事項欄に外国人配偶者の氏名や国籍が記載されることになります。
なお、外国人配偶者も住民票はあります。
3.終わりに
国際結婚した場合、夫婦別姓が基本となりつつ、変更も可能ですが、一度変更すると、用意に元に戻すことはできません。今後、子供の姓にも影響してきますので、氏の変更については慎重に検討しましょう。
特定行政書士、申請取次行政書士(immigration lawyer)、AFP 若林かずみ(wakabayashi kazumi)
和(yawaragi)行政書士事務所
http://kazumi-wakabayashi-nara.com
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