日本に留学中の外国人留学生を新卒採用しようという企業は、今後増えてくるかと思います
(参考記事:来春(2019年)、外国人留学生の就職条件が緩和!年収300万円以上なら業種問わず!
http://yawaragi-office.com/archives/114 )
では、この場合、どのような点に注意すればいいのでしょうか。

まず、外国人留学生を新卒採用する場合には、留学ビザから就労ビザへの「在留資格変更許可申請」をする必要があります。

採用する場合、その職務内容には制限があることに注意して下さい。

〇いわゆるホワイトカラーの職種
×単純労働とみなされるような職種(ブルーカラー)

ホワイトカラーの職種で就労する場合には、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更申請をすることになります。

そして、この「技術・人文知識・国際業務」のビザに変更する場合、入社後に就労する職務内容と外国人留学生の学校の選考内容に関連性が認められる必要があります。

例えば、大学で芸術を専攻していた外国人留学生を、会計業務を担当する社員として内定出したとしても、就労ビザを取得することはできません。

この職務内容と学校の選考内容との関連性ですが、一般的に、大学・大学院卒生よりも、専門学校卒生の方が、その関連性を強く問われる傾向にあります。

申請時期にも注意!早めの申請を!

仮に、4月1日入社の予定の場合、4月1日までに就労ビザに変更されていなければ、留学ビザのままですから、フルタイムでの就労はできないことになります。
ですので、入社自体は可能ですが、就労開始は就労ビザの許可が下りてからということになってしまいます。

そこで、入局監理局では、4月入社の外国人留学生については、その前年の12月1日から申請できることとしています。
入国管理局での審査には、1ケ月から1ケ月半かかるのが一般的ですので、遅くても2月上旬には申請を済ませておきましょう。

また、ビザ変更許可後、新しい在留カードを受け取る際に、卒業証書の原本を提示する必要があります。
ですので、仮に、12月中に変更申請をしたとしても、3月の卒業式で卒業証書を受け取って、それを入国管理局に提示して初めて最終的な許可となり、新しい在留カードが受け取れることになります。

とはいえ、申請は、早めにしましょう。
仮に、申請が3月中旬以降になってしまった場合には、4月1日の入社までに就労ビザが取得できない危険性が高まります。
4月1日の入社までに就労ビザが取得できなかった場合には、許可が出るまで就労させるのを待つ必要がありますので、ご注意下さい。

このように、入社までに就労ビザへの変更ができなかった場合、企業側としても学生側としても不利益ですので、気を付けて対応することが必要となります。

申請取次行政書士(immigration lawyer) 若林かずみ(wakabayashi kazumi)
和(yawaragi)行政書士事務所
http://kazumi-wakabayashi-nara.com/
tel;0745-27-7711 fax:0745-32-7869